長い年月が築いたインフラ。
越後平野の東部、市の三方を山に囲まれた下越地方に位置する新潟県五泉市。
古くから織物の産地として知られ、戦後からはニット産業が盛んに行われているこの地には多くのニット関連企業があり、世界に誇れる一大産業の拠点となっています。
はじめてその土地を訪れた私を案内をしてくれた株式会社川島(以下、(株)川島)の営業担当である五十嵐さんは、「染色からタグ・ネームつけ等の完成まで全てが五泉市内で完結するインフラがあることが強みなんだ」と何度も説明してくれました。
それは単純に利便性としての意味だけではなく、
実際に各工程の工場を回らせて頂き、その方達の人生や作業、話している内容を聞いたからこそ、その言葉の深い意味がより分かり、それを伝えたいという思いも強くなりました。
今回のアイテムができるまでを実際に私が見聞きしてきた言葉,画像と共に追っていきたいと思います。
- 0から完成までを五泉だけで創り出せることの強さ。
- 今回のアイテムが出来る工程として大きく、
原糸の染色→編立て→環縫い→洗い(3回)→乾燥→セット→裁断→リンキング→縫製→仕上げ
といった流れで生産されています。五泉市ではその全ての工程を市内の各業種が綿密に連携を取りながら生産をしていて、そういった意味でインフラが整っている環境なのです。
またその強みとして五十嵐さんは、「今は全てがスマホ一つで出来てしまう中で、アパレル会社と工場とのやり取りも工場同士のやり取りもどこにいてもできてしまいます。しかし実際に会って話したり、拘りや思いを伝えるのと、電話やメールだけで伝えるのとでは全く伝わり方が違う。それに近くであればどんな急ぎの仕事でも、急な変更も、遅れてしまった時の状況把握も迅速に計れる。」というようなことを仰っていました。
その言葉を更に紐解くと、私達UNITED TOKYOが拘る部分と繋がるのではないかと思います。
- 密な連携から生まれる新たなアイデアの発信。
- 私が訪れたのは、染色を行っている株式会社市川染工場、
今回の穴あき加工を行って頂いたカイヌマプレス、
そして編み工程から裁断縫製までを行って頂いた(株)川島、
その他も今回のアイテムでは直接の関りはなかったものの、
他のアイテムで技術を使わせて頂いている各業種の会社さんを周り、お話を聞かせて頂きました。
その中で特に感じたのは、
「五泉という街が一つの企業のようにお互いの技術を直接見て聞いて、それを自分達の知識や技術と掛け合わせることで新しいアイデアを迅速に発信している」
ということと、
「そんな日本のアイデアを私達のアイデアと掛け合わせてクリエイティブな新しいアイテムに落とし込んでいくことがUNTIED TOKYOの強みであり使命なのではないか」ということです。
それは今回の穴あき加工の技術にもスイビという技術として表れています。
元々穴あきを作るためというよりもデザインとして開発されたスイビというものを、応用したデザインとして落とし込み、
そこに面白さを見出した私達が、日本産という更に言えば五泉産という密な連携が取れる土地で生産することで、より直接的にそのアイデアが伝わっていく、ということです。
- MADE BY JAPAN。
- 一言でニットアイテムといっても、その背景には様々な方のアイデア・知識・技術が掛け合わっていて、そこから日々新しいアイデアやクリエイションが生まれています。
それをALL MADE IN JAPANで行っているUNITED TOKYOだからこそ使える技術があって、
ALL MADE IN JAPANの私達だからこそ伝えられることがあるはずです。
今回の五泉はそのひとつの例であり、伝えるためのひとつのスタートだとも思っています。
そんな日本ならではで日本人ならではの、
MADE BY JAPANを。