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UT1111

 『MonoMax12月号連動企画』

日本のモノ作りに拘り、ハイバリューを提供し続けることを信念としているUNITED TOKYO。
今まで語り尽くせていなかった拘りを数回に渡り様々な製品に焦点を当てて、細部までご紹介していきます。

第四回となる今回は、11/10(木)発売のMonoMax12月号と連動してUNITED TOKYOのアウターを縫製していただいているサントップグループ㈱岩手サントップに取材を敢行。

 

全体

 

どんなに高級な生地を使っても、美しい型紙を引いても縫製次第で製品になったときに見映えが変わってくるのが洋服の面白いところ。
UNITED TOKYOではベーシックアイテムを毎シーズンリリースしていますが、現状に満足せずクオリティを追求し続けています。
その中で今シーズンたどり着いたのが株式会社岩手サントップ
ジャケット、コート、ベストの専門縫製工場として数々のブランドの信頼を得ている実力派の工場です。
UNITED TOKYOの製品ができあがるまでの工程とこだわりをご説明していきます。

 

 

■スポンジング(縮絨)


洋服に使われる生地(原反)は芯棒にきつく巻き付けられた状態で納入されます。
その状態で生地を裁断してしまうと緩みによって地の目が歪んでしまい型崩れを起こしてしまいます。
そのため、専用の機械で130℃のスチームと振動を与え、繊維をふっくらとさせ、生地の織り目を詰まらせるスポンジングを行います。
機械にかけられた生地はそのままの状態で丸一日寝かせる「横反」を行いリラックスさせます。
状態が落ち着いた生地を改めてテンションをかけずに巻き取ることで製品にした後、プレス仕上げの際に見映え良く仕上がる生地になっていきます。

 

スポンジング加工済み

 

■接着芯検査・縮率検査


スポンジングを終えた生地を30cm四方の大きさに切り、接着芯を貼り試験を行います。
水分が加えられたときに剥離を起こさないか、粘着強度は大丈夫かをチェックします。
同時に表地との縮率の違いからヨレが起きないかも検査を行います。

 

検査加工済み

 

■裁断・検査

裁断1


裁断は取り込まれたパターンデータを元に、
アパレルCAM(自動裁断機)によって自動裁断されます。

何層にも重ねられた生地はビニールのカバーをかけ、吸引しながら真空パックのようにして正確に裁断していきます。
その際にそれぞれのパーツの形に切るだけではなく、ポケットの位置や縫い合わせる位置がわかるように印(ノッチ)を付けていきます。
素材によってナイフの回転数や裁断速度が異なるため細心の注意を払って設定します。
ここでもやはり、生地にテンションをかけずに行うことが重要になってきます。
裁断を終えたパーツは傷や糸の飛び込みを一枚一枚めくり目視と手で検査していきます。

 

裁断2

 

■縫製

縫製1

 

裁断と検査を終えた各パーツはそれぞれの部分を担当する職人の元に運ばれます。岩手サントップでは4~5人を一つの班として総勢50名ほどで2ラインを構成しています。
通常3割程度、海外研修生を含んでラインを構成する縫製工場がほとんどですが、UNITED TOKYOのラインは100%日本人でラインを作っています。

身頃、衿、袖とそれぞれの専業職人が100~150工程を流れ作業で洋服の形を創っていきます。

 

工場長


「特に肩回りを強く意識している。」と専務取締役・工場長の矢野洋一氏は言います。
紳士物の良し悪しは袖付けで決まるというくらい同じ型紙から作られた服でも袖・肩に注意を払って作られたものとそうでないものでは着心地に格段の差が出るといいます。あえて手間のかかる工程を増やしてでも袖・肩を形作るときに拘って縫製されています。

 

kata


後ろ身頃の肩は前身頃の肩よりも長い距離があり、前の長さに合わせるように、いせ込むながら縮めて縫い合わせていきます。手の感覚だけで全体にバランス良くいせ込むのは熟練の技術を要します。前後身頃の縫い合せの肩線が、後ろに流されていないのは前肩体型を意識した作りの証。
岩手サントップで縫製されたコートジャケットを見る際はここに注目してみて下さい。

 

アームホール


アームホールを形作る際にもこだわりが詰まっています。
Rの付いたアイロン台に生地を置き、伸ばしながらクセを付けて縫い代を割っていく。
肩甲骨に沿わせて生地を伸ばすことで着用感に差が出てきます。平面の生地を如何に立体的に仕上げるかは職人の腕の見せ所。巧みなアイロンワークによって人間の体に沿って内側へ丸く立体的になるのです。

縫製2

肩が前方へと向いた日本人男性特有の前肩体型に合わせて、肩のいせ分量を多く取り高度な縫製技術と中間プレスで、腕をスムーズに動かすことのできるオメロピットと呼ばれる前肩空間を確保しています。ジャケットラペル裏のハ刺しに使われている特殊ミシンにも熟練の職人の腕が活かされています。

特殊ミシン加工済み

 

通常表に出さない縫い目をあえて見えるようにしたUNITED TOKYOのジャケットは調整に大変な時間と労力がかかるそうです。
こうして洋服の形が出来た後は外部のフィニッシャーに送られ、ボタン付けや穴かがり、まつり作業などがされ再び岩手サントップに戻ってきます。

 

■プレス・検査

 IMG_1964


最後は手触りと目視で検査をしながら取り残した糸を切り、針が混入していないか検針を行い、プレス作業で服を美しく整えます。
プレス箇所によって専用の異なるアイロン台を用いて肩周りを中心に職人が手作業で1点1点蒸気を当てて仕上げます。

 

IMG_1877

IMG_1924

 


こうして完成した製品は工場から各店舗、そしてお客様の元へたどり着きます。1着の洋服でも様々な過程を経ています。
UNITED TOKYOの洋服に是非一度袖を通してみてください。
きっと細部に散りばめられた拘りと一着一着に宿った作り手の想いを感じることが出来るはずです。

 

出荷2

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