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「PRESON」企画第六弾となる今回インタビューしたのは、ストリートでも人気を誇り、また近年では海外でも注目をされているブランド・G.V.G.V.(ジーヴィージーヴィー)のデザイナーであるMUG(マグ)氏。ブランド発足に至るまでの経緯から、UNITED TOKYOとのコラボレーションアイテムのMA-1についてまで話を伺った。

最初は手探りでのデザイン業。
一つ一つ自分で開拓して、覚えて、周りの人に支えられながら
気づけばショーをやるようになっていた。

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まず、G.V.G.V.のブランドはどのような経緯で誕生したのでしょうか。。
元々セレクトショップのk3で扱っているブランドが好きで、お店にお客様として通っていたのですが、偶然友人がk3のスタッフと知り合いで。その繋がりでk3の面接を受けることになり、入社をしました。当時のk3はロンドンブランドの卸業がメインでその検品や納品までデザイン以外の多岐にわたる業務を行っていました。
最初の頃の仕事はデザインではなく、インポートブランドの検品等。
でも、元々ファッションが好きで、服飾の専門学校も卒業していたというのもあって、k3の代表から『デザインをしてみれば』と言われたんです。その一言がきっかけで、セレクトショップのオリジナルラインの様な感覚でデザインをスタートしました。
その服が好評だったので、段々デザインする量が増えてきて、気づけばショーをやるようになっていました。

ショーをゴールにして、そこに向かって進んで行ったというよりも目先の業績を積み重ねていたらここまできたという感じなのですね。ブランドを大きくするという意識も最初は特になかったのですか?
そうですね。幼い頃からデザイナーになるという夢は漠然と持っていましたが、大きな会社に入ってデザインをするという自分の姿はどうしても想像できなくて。結果、やりたい事を積み重ねていたらここまできたという感じです。

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独力でデザインから企画・生産までしていたのですか?
最初はブランドの規模も小さかったし、全て1人でやっていました。
ファッション業界の友人が多かったこともあって、ブランドが大きくなってからは工場などを紹介してもらいつつ自分で開拓していきました。
はじめは仕様書なども書いたことがないくらいだったので、手探りで一つ一つ覚えつつで。
それでも、苦労したとは思った事がなくて、本当に周りの人に恵まれてここまでこれたなぁ、と。

コレクションテーマはいつも日常生活から。次にやりたいことが自然に湧いて出てくる

毎シーズンのコレクションについて質問します。いつも、テーマはどう決めているのでしょうか。
次のコレクションのテーマを考えようとか、何かがきっかけでコレクションのテーマが浮かんでくるという訳ではなくて、『なんとなく次はこういう感じでいこう』という大体の枠がシーズンが終わる頃には見えてくるんです。
テーマを決めようというよりは、雰囲気というか・・・ニュアンス的に前シーズンのこの部分を残して、という決め方。
前シーズンの一部分を膨らませて、次に引っ張ってくる、みたいな」

では、特に海外に行って、とか映画を観てテーマを決めるという訳ではなくて、日常からおりてくるというかたちなんですね。
そうと言えますね。割と普段、日常生活で気になることが漠然と頭に浮かび、それがだんだん強くなってワードが出てきたら今それが自分がやりたいことだろうなと思い、ピックアップします。
そのワードが音楽や映画からくることもあるのですが

ファッションを取り巻く状況は少しずつ変化してきている。
将来的にはメゾンのデザイナーを務める日本人が出てきたらいいかなと。

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海外で展示会をしたり、日本と海外を行き来する中で、日本と海外とのファッションの違いを感じますか?
意外に日本と海外での違いを見つけるのって難しいんじゃないかなとはいつも思っていて。
衣服は着るもので、それぞれ個人が選択するものだから海外との違いとか差はあまりないのかなと。
でも、パリに行って少し思ったのはファッションに対しての考え方がニューヨークやロンドン等の他の外国の都市と比べるといい意味でオープンでないなと。やっぱりパリはファッションに対して厳しいところがある。
要は、洋服の歴史が深くて濃いからすぐに外国人デザイナーがそこに入っていけるほど間口は広くない。
だから老舗のメゾンはパリにある訳だし、その壁を越えて新しいブランドが入っていくというのはとても難しいと思う。

日本のブランドが海外で通用しているというケースも出てきていますが、そのような状況に対して日本のファッションは少しずつ受け入れられているという感じはしますか?
少しずつは変わってきていると思います。時代の流れも変わって、ファッションに対する固定観念も薄れてきてはいるけど、何年後かにはもっとオープンになっていけばいいなと例えば車産業なんかは海外でも通用しているという現状があるので、洋服もどんどん受け入れられていけばいいですよ。

MADE IN JAPANの安心感は絶対的。
職人の方の提案を交えてこそいいものが出来上がる。

日本と海外の違いをモノづくりでという面でみるとどうですか。それぞれの良さ・悪さを感じるところはあるかと思いますが。
コストの面ではやっぱり厳しい部分はありますが、メイドインジャパンの安心感は絶対的。
別に、MADE IN CHINAが悪いということではなく、工場などにコンタクトする時の言葉の壁や距離感が国内だったら直接伝えられるけど、国外だったら上手く伝わらないこともあるので。昔に比べたら、海外産でもクオリティは良くなってきているとは思うけど、日本人が思う『こうじゃなきゃいけない』という基準と海外生産での基準やレベルに差は感じます。だから自分のブランドもほとんどがMADE IN JAPANのもの。
日本人はまじめで適当なものが許せないから、その気質が私の物づくりの姿勢と合うんじゃないかな」

メゾンブランドも日本の生地を使っていますしね。
細かい生地へのこだわりや、生地のクオリティをとことん追求するところがMADE IN JAPANの良さですね。職人さんも頑固な方が多いので、歩み寄ってくれながらも、信念がしっかりあるところが私は好きです。何でも言う通りよりも、職人の方の提案があってこそいいものができていくと思います。

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G.V.G.V.のブランドのなかで、クリエーションに対するこだわりは何ですか。
ウィメンズの服で、それを着たときのシルエットや体型への意識はあります。絶妙な、cm単位でのこだわりもある。仕上がりをチェックするときも女性のウエストや丈感はよく見ています。あと、メンズライクな服が好きなので、シルエットやディティールにはその要素を取り入れることが多いです。その点に関しては、ウィメンズ服のデザイナーではあまりないところかもしれません。あとはストリート感やカルチャーを取り入れています。
とくに音楽は自分のモノづくりのテーマの一つでもあるので、自ずとデザインに入ってくる。人からもよく言われるので、それは私のデザインの特徴なんだなと。
ストーリーやバックグラウンドの感じられない服はあまり好きではないんです。ただかわいいだけ、かっこいいだけの服には魅力を感じない」

ブランドの今後の展望を教えてください。
海外のセールスは今後伸ばしていきたいところでもあります。
後は、メンズの方も着て頂けるアイテムもシーズンにいくつかはあるので、性別の垣根を越えたクリエーションを続けていきたいです。特にメンズ・ウィメンズは決めない。このスタイルは残して行きたいと思います。
あえてメンズラインを作るのではなく、ウィメンズの延長線上にメンズの影が見える感じで。

最後に、UNITED TOKYOとのコラボレーションアイテムのポイント、こだわりを教えてください。

IMG_7237のコピー

このMA-1は、15AWのコレクションでG.V.G.V.で出しているもののサイズ感に近づけて作っています。丈感や袖丈をいじって、丸いシルエットにし、よりメンズライクに仕上げたのがポイントです。
→このアイテムの詳細はこちら

DESIGNERS profile
MUG(マグ)
1971年生まれ。91年に桑沢デザイン研究所を卒業。2003A/Wから東京コレクションにデビュー。
2005S/Sコレクションではアーティストの加賀美健とコラボレーションを展開。
フェミニンとマスキュリンの同居するオリジナルな世界観を、その時の感性で自由に発想し、毎シーズンコレクションとして発表している。

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