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第4回目となるUNITED TOKYOのクリエーターズコラボは、第四回となる今回は2012年度に毎日ファッション大賞新人賞を受賞し、着々とファンを増やし続けている堀内太郎氏にインタビューを行った。14歳で渡英し、アントワープやパリ、そして東京と様々な土地のファッション観を吸収した彼のアイディアソースとは。

ロンドン・アントワープ・パリ
三都市をまわり様々なファッションを学んだ

―まず、ファッションブランドを立ち上げるまでの経緯を教えてください。堀内さんは最初は美術大学で学ばれていますよね。

そうですね。僕の場合、父が美術商だったということもあって、美術というのは生活の一部でした。14歳の時に海外に渡って、まず語学学校に通っていました。その後、美術大学に進学したんです

―そこからどういうかたちでファッションと出会ったのでしょうか

日本ってほとんどの場合、芸術・美術の分野を学ぶには美大、ファッションは別に大学や専門学校があるじゃないですか。ヨーロッパでは大体ファッションも美大のカリキュラムの一環として組み込まれているんです。それで、一通りカリキュラムをこなした中で専門を決めていくんですけど、自分はファッションが好きだったし、そこでやってみようかなと。

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―美術大学を卒業後、アントワープ王立芸術アカデミーに入学されましたが、進学するきっかけは?

最初にロンドンのKINGSTONと言う美大で学んでいたファッションというのは、どちら
かというとトラディショナルなものでした。実は最初は写真を専攻していたんですが、やっぱり写真や美術もファッションと同じくらい興味があるなと思って。当時、Martin Margiela(マルタン・マルジェラ)が話題になっていましたが、彼は美術・アートとファッションを同時に体現していて僕もとても好きでした。彼もアントワープ出身だったので、進学したのにはその影響もあるかもしれません。
あとは、その時に日本人で初めてアントワープを首席で卒業した方が出て、刺激になりました。

―堀内さんご自身も首席での卒業だったんですね。

卒業時の成績に関しては、当時アカデミーの校長だったLINDA LOPPA(リンダ・ロッ
パ)のアドバイスの影響があったのかなと思います。
卒業コレクションの時にメンズとウィメンズのミックスコレクションを発表しようと
していたんですが、彼女に『あなたはメンズをやりなさい』と言われて。彼女はいわゆるカリスマと言われる先生で、素直にそれに従いました。結果的に、それが良い方向に転んだんじゃないかなと思います。

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―そのあとはパリに移ったということですが。

コンセプチュアルなアントワープのファッションとはまた違うパリのエレガンスを体感し学んでみたいと思ったんです。その前に一度日本に帰国して21_21 DESIGN SIGHTでのエキシビジョンに参加しました。その時、周りにいた同期や先輩のデザイナー達は既にブランドを立ち上げていましたが、焦ってそれに乗る必要もないと思って、パリへ一年間の限定と決めて移住しました。
パリはやっぱりファッションの街で、実際住んでみると想像よりもずっと良い街だったと思います

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海外の感覚をそのまま日本に持ってきても成功はしない

―ブランド立ち上げと同時に拠点を日本に移したのは?

一番の理由は長いこと海外をまわっていたのでそろそろ日本に戻ろうかなというのが強かったんです (笑)。
あと、海外でブランドを立ち上げて、拠点にしていくのって現実的に非常に大変な事
です。工場との関係も構築しにくいですし、新人外国人デザイナーに対するサポートが薄いということもあって、難しいかなと考えました。

―ロンドン、アントワープ、パリを見てから改めてTOKYOのファッション市場について思うことはありますか?

そもそも、日本マーケットはヨーロッパとは全然違うなと感じています。
海外では強いものが受け入れられるんですが、そのままの感覚を日本に持ち込んでもブランド経営は成功できない。マーケットに合わせた経営方法の重要性を日本に来てから実感しました。僕自身、それまで海外でコンセプチュアルな“強いファッション”を学んできたのでそのテンションで作り続ける事で苦労しました。

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―ブランド立ち上げから今年で6年目ですが、日本の服づくり・モノづくりの現場での強みは何でしょうか。

日本の染色技術や生地づくりの高い技術は海外からみると非常に魅力的だし、求められるものだと思います。品質の高いものが作れる環境が身近にあるのはかなりの強みなんじゃないかと。パリやロンドンって、ファッションに関しては長い歴史と伝統を持っているのでどうしても敵わない部分はあると思います。だからこそ、アントワープのように国策としてコンセプチュアルなファッションを打ち出していく等の他の側面からの試みをしていかないとは考えています

洋服に関しては歴史が薄い分、日本は品質や技術で勝負をしていかなければいけないということですね。

そうですね。ただ職人気質で質の良いものだけではなくて、アプローチを変えてやってみるのも大切だと思います。それこそ、新しい素材の開発や最先端の技術を利用したものじゃないと闘うのは難しい。

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ヨーロッパで学んだことをどう東京のシーンに合せて落とし込むか

堀内さんにとってデザインのインスピレーション源となるものは?

アートももちろんですが、“日常”“東京”という街というのが大きいかな。デザインも、出会ったものとかその時のタイミングで変化します。色々なものをミックスした感覚が重要。その塩梅でブランドのキャラクターって決まると思うんです。

今回UNITED TOKYOとコラボレーションをしたパンツについて、デザインの経緯を教えてください。

今回コラボをしているパンツは東京で生き、働く女性を想像しながらデザインをつくり込んでいきました。東京=働く街という印象があったので。
フェミニンなスカートをイメージしたボリューム感のあるシルエットですが、パンツにすることでマニッシュな雰囲気かつ機動性を持たせています。

コラボレギュレーションアイテムはこちらから

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今後の展開を太郎さん自身の展開を教えてください。

ヨーロッパで学んできたことを東京という場所に合わせて発信をしていこうとは考えています。これまでは言ってしまえば“広げていく作業”。それをこれからどう絞るか、かなと思います。
最終的には新しい東京という都市のユニフォームというコンセプトで服を作ってみたい。ユニフォームライクなものが好きで、自分自身いつも同じアイテムを着ているので。やりたいことは多くあって、実験的なこともして徐々にして行きたい。一つ一つのチャレンジをしていきたいですね

DESIGNERS profile
堀内太郎(ホリウチタロウ)
1982年 東京生まれ。15歳で渡英。ロンドンのキングストン大学で写真を専攻後、服
飾科に進学。
2003年 アントワープ王立美術アカデミーに入学。ITSでディーゼル賞を受賞
2007年 同校を首席で卒業後日本に帰国。2008S/S TOKYOコレクションファッションウィークにて行われたイベント、21_21デザインサイトの展示会「ヨーロッパで出会った新人達」に参加。
アントワープ王立芸術アカデミーの卒業コレクションをベースに発表。
2009年 自身のブランドにてデビューコレクションを開催。
常に丁寧で、繊細かつ上質な素材を追求。一過性のインパクトに頼らない独自のデザインのもと、様々な作品を作り出している。

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